一般的に使われる動線は、「台所の水回りの動線」とか「○○へ行く動線になっている」などが挙げられるが、立地に置いての動線の意味は、まったく違うものになります。
テナントを借りる際に調べる立地に置いての動線は、TG(交通発生源)があるために発生する「日常生活動線」のことをいいます。
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例えば、
駅であれ、商業施設であれ、または交差点であれ、TG(交通発生源)があれば、そこから人々の行動(交通)が発生します。
その行動する筋道(経路)の中でも、とりわけ日常的に往来する必然性が高いものが、日常生活動線と言われます。
この「動線」をどのように見極めるかが、立地の良否を決める上で、最も肝心であると言っても過言ではありません。
立地調査に必要な動線の特徴と条件とは?
動線の条件と特徴
・動線上にある物件は、それだけ人々から知覚される可能性が高い
・徒歩客を対象にした場合は重要
・動線上になくても近くにないといけない
・20m以内にないといけない
・離れても50m以内
など
※動線上にあっても通る人が自然に知覚できなければ、店は「ない」のと同様である
集客できる動線を見つけよう!
集客動線の見付け方とは、
・TG(交通発生源)とTG(交通発生源)を結ぶ最短経路に形成されるもの
・駅から自宅
・スーパ-から自宅
・駅からス-パ-
・交差点から駅
・交差点からス-パ-
・交差点から自宅
などです。
こういった候補を見つけたら、人の流れを追ってみると更に詳しく分かります。
特に、朝方や夕方、人々の動きが活発になるときが観察に適しています。
ただし、通行量にはこだわらないようにしましょう。
通行量の多い少ないは、動線の強弱には関係ありません。
副動線を見つけよう!
主動線は、駅、大型小売店、商店街や飲食街、集中度の高い商業集積地域、大型交差点といったTG(交通発生源)同士を結ぶものをいいます。
補足として、これらの主動線は、主にこう呼ばれています。
・駅動線
・購買動線
・住宅動線
・通勤動線
・駐車場動線
・エレベ-タ-・エスカレーター動線
などがあげられます。
副動線はこれらの主動線に付随した複数の動線のことをいいます。
例えば、
TG(交通発生源)の集中度が高い場所と同じ様に、TG(交通発生源)の集中度の高い場所同士を繋ぐ主動線ではなく、もう一方のTGが小さい規模とを結ぶ動線を副動線といいます。
規模の小さいTG(交通発生源)とは、裏口などのような場所を指します。
主動線上は勿論有利ですが、実は副動線のほうが条件が良い場合もあります。
一例としては、
一方が大型小売店の裏玄関でもう一方がその駐車場と言うような場合です。
副動線上にある物件で多いのが商店街の裏であったり、空き地などであることが多く、賃料交渉がしやすいなどの利点もあるので、主動線だけにとらわれず、副動線上にある物件も探してみるといいでしょう。
TGとTGを結んだ最短経路を動線とよび、その動線上で物件を探すといいということ、さらには、副動線も賃料を交渉できるなどのメリットとなりえます。
開業前に・・動線を考えて物件を借りよう
開業する為に物件を探しているんだけど、どの物件を選べばいいのか分からなくなってきたなんてことはありませんか?
率直に言って、物件を自分で探して開業している人の中で物件探しで大切な3つのポイントの、動線を意識したり、TG(交通発生源)を探したり、視界性を確認したりしている人はほぼいません。
店舗商売は、立地がすべてです。
そのことを理解していないと、いい立地に開業することが出来ません。
動線を考えるときによく勘違いしてしまうことがあります。
動線上(あなたのお店の前)を毎日人が多く通っていればいい、と考えてしまうことです。
この解釈では正しい動線を探すことは出来ません。
例えば、住宅地から駅までの道路上にあなたのお店を開業したとします。
毎日住宅地から駅まで、多くの人があなたのお店の前を通っていきます。
先程の考え方だとこの物件は、いい場所と言うことになります。
しかし、あなたのお店の前を通る人は毎日同じ人になってしまっています。
このようにいつも同じ人が通るということは、あまり良い物件とは言えません。
良い動線上の物件は、同じ人が毎日通る通りではなく、毎日例え500人でも色々な目的で歩いている動線上のほうが、1年でその365倍のチャンスがあるという意味でも良い動線と言えるのです。
それが理解できてくると、良い動線が見えてきます。
そこで、今回は駅から動線の探し方についてシェアしたいと思います。
駅からの動線を見つける為の考え方
ここでは、「駅動線」(駅からの動線)の探し方の考え方についてご紹介します。
探していくための実際の動きとしては、
・駅の改札口(第一分岐点)から人々の流れを追っていくと分岐する場所があります。
・人が分岐する場所(第二分岐点)を良く観察します、すると分岐する割合が同じでないことに気付くはずです。
・ここで人がより多く進む方に行ってみます。するとさらなる分岐点(第三分岐点)に出会います。
・さらに、もう一つ、次の分岐場所(第四分岐点)まで確認します。
駅動線の探し方の考え方はこの第四分岐点までの間です。
さらに、人の減り具合が少ないほど、強い動線と言えます。
もし、物件がこの動線上にない場合は、第二分岐点または第三分岐点から、建物1軒分(15m)以内にあり、しかもその分岐点から、何を販売している店なのか、一目瞭然で分かることが必要です。
これが駅からの動線を見つける為の考え方になります。
実際には、足を使ってよく観察するということがご理解いただけたのではないでしょうか?
あなたも駅から第四分岐点まで足を使って見つけてみてください。
購買動線はどのようにできているか?
大型小売店が近くに複数あると、必ず動線が出来ます。これを「購買動線」と呼びます。
購買動線が出来る条件としては、
・スーパ-マ-ケット同士
・一方がス-パ-でもう一方がディスカウントショップ
・百貨店同士
などです。
購買動線はお金を使う人たちが通る動線ですから、商売にはもってこいです。
通行人が少ない場合の購買動線の探し方
通行人が少なくてもたしかに動線になっているという場所があります。
それを見付けることがとても重要です。
手順としては、
・大きな商業施設から、小さな商業施設を結ぶ動線を結んでみます。
そして、ここが大切なのですが、両方を利用している人がいることを確認しましょう。
もしいるようであれば、この2店を結ぶ動線は立派な購買動線と言えるでしょう。
購買性向を高める動線として、「回遊動線」というものがあります。
回遊動線と見るための条件は、
・最低3つ以上のTGとなる、大型商業施設がある場合に生まれる動線です。
一方で、購買動線が形成されないことが多いのが、大型商業施設同士が、駅や線路を挟んでいる様な場合です。
どういうことかというと、
人は水平に移動することに、比べて、上下方向に移動することは大きな心理負担を感じるからです。
購買動線を観察する場合はこの点に気を付けてみてください。
駐車場動線の利用の仕方について
大型商業施設には駐車場がつきものです。
しかし、店によっては、数十~200mほど離れた場所に設けられることもあります。
こうした場合、その駐車場と商業施設との間を行き来する動線が生まれます。
これを「駐車場動線」と呼びます。
この駐車場動線の利用の仕方としては、
・動線上に物件がない場合は、ワゴン車で販売したり
・買い物帰りの人は両手が塞がっているので、荷物を降ろすような場所の確保などをする
・チラシや招待券などを配る
・案内看板などを設置する
などになります。
あなたの探している物件の近くに駐車場動線を見つけたらそういった利用の仕方を考えてみてください。
もしあなたの探している物件が、購買動線上にあるのなら、あなたの商売は楽になります。
3つの大型商業施設がある動線上にあるのなら、回遊動線があるので利用しましょう。
ただし、駅や線路が間にある場合には注意しましょう。
駐車場動線は分かりやすい動線です。
工夫をして来店してもらえるようにしましょう。
どうして女性が道に迷うと、それが動線になるのか?
最低3つ以上のTG(大型商業施設)などがある場合に出来る動線のことを、回遊動線ということについてお伝えしましたが、実はそれだけではなく、TG(交通発生源)らしきものが複数ない場合にも、回遊動線が作られることがあります。
それは、女性によって作られる動線のことです。
それは、女性特有の性質から起こるようだと考えられています。
・女性は非常に好奇心が強い
・歩いてるうちに迷子になってぐるぐると回遊する
・迷子になる場所には、曲がり角が多い、袋小路がたくさんある場所
など、こういった場所では、TG(交通発生源)から離れていたとしても、回遊動線が形成されることがあります。
このような特殊な回遊動線は、頻繁に見られるわけではありませんが、知っておいても損はないです。
人は最短距離を歩きたがる
その前に、今までにTG(交通発生源)は、駅や大型商業施設などの施設をTG(交通発生源)とご紹介してきました。
それと、交差点もTG(交通発生源)になりうることもご紹介してきました。
ですが、紹介しておいていうのもなんですが、交差点をTG(交通発生源)というのは、少し違和感を感じたりしませんでしたか?
通行人を一人一人に分けて考えればどこから行動を起こすのかと考えると、家や会社から行動を起こしていますよね。
なので、本当のTG(交通発生源)は、家や会社であるべきなのかもしれません。
しかし、それでは、駅や大型商業施設などと、規模的に釣り合いがとれません。
なので、家や会社から出て来る人が集まってくるような場所、つまり交差点をTG(交通発生源)ということにしているのです。
なぜなら「人は目的地に行くには最短距離になるように行く」という習性があるからです。
しかし、すべての道が必ずしも最短距離で行けるように出来ている訳ではありません。
なので、別々の所に住んだり、勤務している人も、最短距離になる道を通る為に、同じ場所に出てくるというようなことが起こるのです。
少しくらい別の道を選んでも、そう距離は変わらないのですが、ほとんどの人が同じ道を選びます。
こういった、人間の習性と言えるべきことも、理解しておくと交差点のTG(交通発生源)からの動線も見付け易くなると思います。
参考にしてみてください。
ありがとうございました!