あなたの選んだ物件の構造が商売に適しているか?
これを確認しながら物件を選んでいますか?
どういったことを、確認しながら物件を選べばいいのか?
それは、「お客様を逃がさないような構造」になっているかということです。
目次
せっかく来店したお客様を帰さない
「せっかく来店してくれたお客さまが、建物の構造上の理由によって、帰ってしまうようなことがあってはならない」
例えば、
・間口が非常に狭ければ、何の店か判別できない場合
・狭いことが心理的に入りにくさにもなる場合
・客席数が不足している場合
・待つのが嫌なお客様は帰ってしまう場合
など、間口や客席数、店舗面積などの物理的要因を「建物構造」と言います。
構造上の制約が邪魔する場合
例えば、
①:間口が3mしかないときこれが道路に並行していれば狭くて見にくい
②:間口が奥のほうにセットバックしている
③:地階に続く暗がりの階段を使わなければならない
④:入口の前に大きな階段や柱があるなど
このような構造上の制約があるのを無視して出店してしまうと、まったくお客が来ないということにもなりかねません。
もしこういった構造だけど、出店したい場合の改善策としては、
①:道路に並行している間口を斜めにすると、両隣の店と異なる変化が生まれて気づきやすい間口になるかもしれません
②:壁面などを明るく塗装したり、強い照明を付ければ少しは改善できる
③:同上
④:これは厳しいです
以上のような改善案がありますが、これらはすべて設計変更などを必ず家主に確認しておく事が必要です。
しかし、良い返事がもらえないことが多いので、他の物件を探すほうが早いのかもしれませんね。。。
間口で店舗らしさを表現する方法!
立地上の「間口」は2つに区別することができます。
1つは、建物間口・・・店舗物件の道路などに面している建物全体の間口です。
もう1つは、入口間口・・・建物間口の中で、人が出入りする部分の間口です
建物間口
・一般的には広いほど良いとされています
・間口が広いと視界性が高まる
・建物間口は全体にわたって、入口間口との一体感があるようにする
などが建物間口を考える時のアイディアです。
例えば、
マクドナルドやスタ-バックスといった外資系のチェ-ン店でも、建物間口を有効に使う事を重視しています。
図面上で区画された狭い範囲ではチェ-ンイメ-ジを表現するには狭すぎると知っているからです。
入口間口
・入口間口も広ければ広いほど良い
・扉は常に開放しておく
・路面から人が出入りする障害を無いようにしておく
このように、建物の構造や間口についても十分検討して物件を選ぶことが、あなたのお店を繁盛させる為の重要な要素になります。
お客様を店に入りにくくする諸条件
お店の間口について、建物全体の間口と入口の間口と二つをご紹介しました。
ポイントは広さや統一感でした。
そのほかに気を付けなければいけないポイントを紹介していきます。
・放置自転車
店舗前に無造作に自転車が放置されていると、通行人の注意がそのほうに行ってしまいあなたのお店に気付かないことになってしまいます。
・共用空間
複数のテナントの出入口を、1カ所だけにしている空間があります。しかし、このような物件は出来るだけ避け、あなたのお店専用の入口間口を確保するようにすべきです。どうしても、共用空間を使わざるを得ない場合はなるべくあなたのお店の看板やロゴが設置できるような場所を探しましょう。
具体例):壁、天井、柱、床、階段の脚部、手すりなど
・他のテナント
同じ建物内に、複数のテナントが入っている場合、外部のどこからどこまでを、どの状態まで使ってよいのかを家主に確認しておきましょう。外壁が使えるか使えないかはまったく条件が違ってきます。
・ごみ、嫌悪施設
開店したら店前が地域のごみ収集場所指定場所で、ごみが山ほど積まれていたという話が現実にあります。さらに、夜になると、上層階の怪しい店舗への客引きが出没するようなビルもあるので事前情報をしっかり確認しておきましょう。
・心理的制約
例)段差がある、外を走る車の排気ガスが吹きこんでくる、強い西日のため店内がまったくみえなくなる、振動や騒音が激しい、トラックなどの大型車が頻繁に駐停車するなど、このような店舗に入りにくくなる心理的制約にも注意しましょう。
以上のようなことがあると、あなたのお店にお客さまが入って来にくくなります。
十分注意していきましょう!
空中階のテナントで、階段やエレベ-タ-をどう利用するのか?
もしかしたら、あなたがお店を出店したいのに、1階に店舗を出せない時もあるかもしれません。
その際、2階や3階などの空中階、あるいは、地階などを検討するときもあるかもしれません。
そんな時に、どこに注目して検討すればいいのか、そのことについて、ご紹介していきます。
・看板などを路上に出せるか
・建物の外壁やガラス面などを使わせてもらえるか
・地階は入口の間口は広くとってあるか
・階段の照明は変更できるか
などを検討しましょう。
では、階段やエレベ-タ-の場合はどうでしょう。
階段であれば、あなたのお店の専用の階段に改良することで、かなりお客さんは入りやすくなります。
エレベ-タ-の場合は、どうでしょう。
一般的には、独立した看板を出すことが許されず、共同看板を掲出しなければならないなどの制約が受けることが多いようです。
それでも、最低限、エレベ-タ-内の表示などや、階段に貼った看板(許されたもの)、建物内の店の入口の看板それぞれにすべて一貫した同じデザインを使うようにしてください。
こうすることで、お客様は迷わず、安心してあなたのお店にたどり着くことができます。
建物の改装や、看板などの設置に関しては色々と建物によって制約があるので、確認しながら、検討していきましょう。
店舗物件やテナントを借りる前に調べておくべき階層別立地指数
「あなたが今後物件賃貸を考えるときに「階層別立地指数」を知って検討材料にしよう!
階上や地階は入りにくいのか?
あなたの店舗が2階や3階、または地階に出店することを選択しなくてはいけなくなった時の、検討する指標としての数値、それが「階層別立地指数」です。
1階での入りやすさを100とした場合、階上や地階はどの程度お客様は来店しにくくなるのでしょうか?
過去のデ-タから割り出した立地指数がありましたので、シェアしたいと思います。
階上の場合(※ただし、店舗の占有する階層が1階層だけの場合)
・1階:100とした場合
・2階:87
・3階:61
・4階:47
地階の場合
・B1:81
・B2:56
というデ-タがあります。
これらの立地指数から何が分かるのか?
例えば、1階層だけですむ店舗なら、2階で13%、地下1階で19%が来店しにくくなるということです。
つまり、どういうことかというと、2階や地下1階程度なら、来店者数が半減してしまうほど影響は受けないということです。
ただし、視界性については加味されたデ-タではない様ですので、実際は階段やエレベ-タ-などを使う為、1階に比べて視界性は著しく悪くなります。
逆に、視界性が1階と同じ様に取れるなら、来店者数は1割~2割減程度なので、家賃条件が1階より20%以上安いなら検討に値するといえます。
3階以上の階層に関しては、来店者数は激減しますので、家賃交渉の余地は充分にあります。
なので、簡単に妥協しないようにしましょう。
「ピ-クカット」を防ごう!
聞きなれない言葉、「ピ-クカット」とは?
たくさんのお客さまが来店したにもかかわらず、商品提供が遅かったり、満席などでお客さまが帰ったりして、その時間帯本来の売上げがとれなくなる現象です。
今回、ピ-クカットの起きる原因を、構造上の場合にフォーカスしてご紹介します。
店舗の構造上の問題から、起きることも少なくありません。
例えば、
・客席数が少なすぎる
・間口が極端に狭い
・間口が狭いせいで人垣が店を塞いで店が見えなくなってしまう
こういった構造上の原因で「ピ-クカット」が起こったりします。
業種業態によって違うので一概には言えませんが、適正な間口、適正な面積と言われているものを参考の為にご紹介します。
入口間口:畳一枚分(1間、約2m)
建物間口:畳二枚分
そして面積は、物販店なら、20坪(70㎡)
飲食店なら、30坪(100㎡)
が最低の目安となります。
参考にしてみてください。