販促計画を立て新規客も固定客も今より倍増させる方法

会社、店の売り上げを上げるにはどうすれば良いか?

ほとんどの事業主が、常に考えていることでしょう。

 

目次

売り上げを上げるためには名簿化が必須

実は売り上げを上げる考え方はシンプルです。

まず新規客を集客し名簿化します。

そして、名簿化した名簿客を固定客にしていくのです。

これを繰り返し、固定客を増やすことで売り上げは伸びていきます。

 

名簿客と固定客を混同しがちですが、この二つには大きな違いがあります。

名簿客は顔と名前が一致せず、年間どのくらい買っているかわからないお客様を指します。

対して固定客は、顔と名前が一致していて自社をかなりの頻度で利用しているお客様です。

 

固定客を増やすためには、お客様を特定できるよう、まずは名簿客を増やすことがポイントとなります。

そのためにはチラシなどを活用し、計画的に新規集客を行わなくてはなりません。

 

販促計画を立てて実行する

考え方はシンプルですが、これを実行に移すためには販促計画が重要となります。

場当たり的に販促活動を行っても、考え方に則った販促はできません。

販促計画は自社のファンを増やし、なりたい未来の姿に最速で近づくために作成します。

なりたい未来に近づくため、自社の強みを徹底的に訴求し、新しいお客様にご来店いただき、リピートしてもらうための仕組みを練る必要があるのです。

 

お客様を固定化する仕組みさえ出来上がれば、どのような時流、競合環境に変化しようとも急激に業績が下がる心配はありません。

企業が生き残るためには、販促計画はなくてはならないものなのです。

さらに計画を組むことには、遅延やコスト、人員のムリ、ムダを防ぐこともできます。

滞りなく販促活動を行うには、まずは計画を立てなくてはならないのです。

 

まずは1年間の販促計画を組んでみましょう。それをスタッフ全員に周知します。

なぜなら、計画は実行されなくては意味がありません。

スタッフに周知し、確実に実行されるように計画するのです。

ここでは、新規集客、名簿客の収集、固定客化の循環を、効果的に進めることができる販促計画の基本を紹介していきます。

 

はじめにやるべきことは販促効果の棚卸

販促計画を立てるうえで第一にやるべきことは、直近2年分の月別売上実績と販促策を洗い出すことです。

月別・店舗別売上推移と媒体別販促実施内容の二つの項目について、現状分析を行いましょう。

 

直近の2年間、月別、店舗別に、いつどこが変化したのか把握する必要があるのです。

同時に月別にどのような販促活動を行ったかも把握します。

例えばどのようなチラシを何枚配布したか洗い直すのです。

これを把握しておけば、反省点を洗い出すことができ販促活動を改善できるのです。

 

次に、月別の単品別売上作対比と粗利構成比を把握します。

この2点を把握する目的は、優先順位をつけることにあります。

粗利構成比の大きい部分、昨年より伸びている部分に注目し、これらの単品から販促を行っていくのです。

 

まず粗利構成比について解説します。

なぜこれが大きな単品から販促するかというと、粗利高が低い商品を販促しても効率が悪いのです。

例えば、粗利高1000万円の単品が20%伸びれば、粗利高が200万円アップします。

しかし、粗利高100万円の単品が20%伸びても20万円しか伸びないのです。つまり打っても響かないというわけです。

 

次は、昨年より伸びている部分についてです。

売上を上げる方法は、二通りしかありません。

それは、伸びているものをさらに伸ばす、伸びていないものを底上げすることのいずれかです。

 

基本は、売れる商品を売れる時期にさらに売るのが望ましいです。

つまり、昨年より伸びているものが把握できればそれに力を入れることで、売上を上げられるということなのです。

 

最後に、昨年の販促媒体別効果を棚卸しします。

昨年のこの月に行ったチラシは、どれくらい効果があったか、これをいつでも確認できるようまとめておかなければなりません。

基本的にチラシやDMの効果は、撒いた枚数に対し新規客が何名来店したかが効果となります。

これをしっかり押さえておかなければいけないのです。

 

これらを把握し、自社の平均的販促効果を押さえておけば、今後の販促計画に大いに役立ちます。

ぜひ、販促効果は常に把握できる体制を整えてください。

 

販促予算を決定するための3ステップ

これまでの販促計画を棚卸ししたら、次は販促予算を立てます。

これもただ闇雲に決めればいいのではなく、目標に則った金額を算出しなくてはなりません。

この販促予算を適当に決めてしまうと、貴重な広告費を無駄にすることになりかねません。

そこでここでは、販促予算の立て方を解説していきます。

 

ステップ1 年間売上目標から月別売上目標を算定

販促計画の作成は、年間売上目標の立案からスタートします。

これは、あるカテゴリーでナンバーワンになるために、どう販促を行い、新しいお客様を増やしていくかというナンバーワン化戦略にから立てていきます。

最も行なってはならない戦略は、ナンバーワンを持たない総合化です。

これをしてしまうと、「売り」の無いつまらない店舗になってしまいます。

 

では、どうなればナンバーワンになれたと判断できるかというと、シェアで判断します。

シェアとはお客様からの指示を表し、商圏人口やマーケットサイズと自店の売り下を比較することで判断できます。(シェア=自店売上高/商圏人口×マーケットサイズ)

 

ステップ2 月別売上予算からセール期間売上予算を算定

通常は、月別売上目標の25%~30%をセール期間中の売上と考えます。

大切なことは、最大日販を上げ続ける目標を設定し達成することです。

 

ステップ3 月別販促予算を算定

月別販促予算の目安は、粗利高の10%~15%以内に設定します。

ここでポイントとなるのが、どの月に優先して販促予算をかけるかという点です。

 

業績アップには、売れる商品を売れる時にさらに売る「飛びぬけ方」と、今売れていないものを強化していく「底上げ方」の2つの方法があります。

競争の無いエリアや圧倒的一番の店は、底上げ方で問題ありませんが、売れる時に売れる商品を強化するのが伸びるための絶対法則です。

つまりどの月が伸びるか、把握しておく必要があります。

 

そのためには、昨年の月別新規客獲得数をグラフにしてみるとよいでしょう。

これさえあれば、どの月に新規客が増えるか一目瞭然です。

どの月が伸びるかは業態によって変化がありますが、新規客の増える月を把握し、優先的に販促予算を投入すると良いでしょう。

これにより、さらに新規客を増やすことができるのです。

 

販促費はどれくらいかけるべきか?

企業の最終目標は、販促費をかけなくても人が集まることかもしれません。

販促費ゼロでも固定客が増え続け、口コミで新規客が増え続けるとなったら理想的です。

とは言え、いきなりこのような姿にはなることは出来ません。

理想の姿に一歩でも近づくため計画的に販促を行なう必要があります。

 

いつ販促費をかけるか見極める

まず、粗利高に占める販促費の適正比率を考えます。

これは、積極的にかける時期は15%程度、かけない時期は10%以下がよいでしょう。

 

例えば、粗利高の10%を目標としたときを考えてみます。

チラシを撒くために総額50万円かかるとしたら、粗利高は500万円必要ということになります。

この時の粗利率が20%なら、売上高は2500万円必要ということです。

つまり、売上高に占める販促費は2%ということになります。これを一度算出してみましょう。

 

販促費をかける時期を見極める3つのポイント

ここからは、販促費をかける時期を見極めるポイントを解説していきます。

1つ目のポイントは、オープン後の経過年数です。

オープン後3年目までは二桁成長を維持し、それ以降は安定成長に切り替わるというパターンが一般的な成長ストーリーです。

つまりオープン後3年以内は、徹底的に販促費をかける時期といえます。

 

2つ目は時点の獲得シェアです。

目安は自店がナンバーワンを目指す分野で、26%以上のシェアを獲得しているかどうかです。

このシェアを獲得するまでは、積極的に販促費をかける必要があります。

特に、3%、11%、19%のシェアの時期は勝負どころです。シェアを一段あげやすい時期なので、販促費を積極的に投入する時期といえます。

 

3つ目は坪効率です。

小売店の場合、坪効率が1000万円以上になると、どんどんお客様が来る店となっているといえます。

つまり、お客様にとって魅力的なナンバーワン商品をもっており、それ目的で集客できる状態となっているのです。

これが坪効率500万円以下の店であると、集客が一番のテーマであるといえます。

この場合は販促費をしっかりかけ、お客様に目的の商品を持ってもらう必要があります。

 

このように3つのポイントから考え、自身が今どれだけ販促に力を入れるか把握する必要があります。

それから必要な販促費を算出するようにしましょう。

 

ライフサイクルに応じて販促媒体を変える

人に誕生から死までの流れがあるように、商品、業種にも同じような流れがあります。

これをライフサイクルと呼び、大きく導入期、成長期、成熟期、展開期、安定期の5つに分かれます。

そして、あなたの商品、サービスがどこに位置しているかに応じて取るべき集客方法が異なるのです。

集客に困っている店を見てみると、自身の商品の位置を把握せず「成長期」の集客方法を取っている場合が多いように感じます。

 

成長期の集客は、チラシが主役となります。

成長期は供給が追いついていない状況なので、お客様が商品を求めている状況です。

このような状況では、アイテム数の豊富さと価格を訴求すれば上手くいきます。

 

しかし、成熟期や展開期、安定期に進んでいくと、それまで効果を示していたチラシでは効かなくなるのです。

これを知らずに闇雲に販促を行なっている企業は、貴重な販促費をドブに捨てているようなものなのです。

 

そして現在は、大半の業種・業界が成熟しています。このような現状で、どのように販促活動をしていけばよいのでしょう。

そのヒントは、自分の業界より少しライフサイクルが進んでいる業界にあります。

 

衣食住、この順番は実はライフサイクルが進んでいく順番です。

チラシが聞きにくくなる順番と言い変えることも出来ます。思い出してください。

最近衣料品のチラシが目につくでしょうか?ユニクロなどの全国チェーンが投入している程度で、ほとんど見かけなくなったかと思います。

食品も同様です。以前のように、週に何度もスーパーのチラシが入ることはなくなっているのです。

 

一方、住宅やリフォームのチラシはいまだに多く見かけます。このようにライフサイクルが進めば、お客様が経験豊富になり、決まった店でしか買わなくなるのです。

このような理由から、衣・食の分野では、チラシが効かなくなっています。

 

では、どのような手を打っているか見てみると、ファッション業界を中心にセレクトショップ化が進んでいます。

これは、業種にこだわった店ではなく、提案したいテーマやライフスタイルを打ち出した店です。

テーマに合った物なら、業種に関係なくフルラインで揃えています。これは、ライフサイクルが進んだ結果生まれたスタイルと言えるでしょう。

このような店がチラシを撒いても、効果が無いことは想像できるかと思います。このようなスタイルの場合、固定客に対するDMやメルマガ、担当者からの電話アプローチが効果的なのです。

 

このように、あなたの業界でも販促媒体を変える必要が出てくるでしょう。

あなたの業界の先を行く業界は何か、そこは何を使っているか、良く観察するようにしてください。

 

販促催事を成功させる5つのパターン

販促手法には、一般的に5つのタイプが存在します。

タイプごとに目的と効果が異なるため、十分に検討してから取りかかるようにしましょう。

 

①大型催事

・顧客への最大サービスが大前提

・顧客への感謝の意を表わす

・商圏を拡大し、新規客獲得をめざす

・タイトルモデルは、大創業祭、周年記念、リニューアルオープン

 

成熟期はよりターゲットを絞るか、より専門化する以外では業績は上がりにくくなります。

ターゲットを絞ることを考えると、自店が狙っている代表的なお客様を巻き込み、その声を十分に取り入れる必要があるでしょう。

 

お客様の声を収集する方法は、来店時にアンケートでご意見をいただく方法と、モニター会を開催し、生の声を吸い上げていく方法があります。

このようにして収集したお客様の声を、チラシのタイトルに使います。

「お客様の声でこんなお店に大変身しました」ということをアピールするのです。

 

②固定客化催事

・名簿客から固定客への促進が最大のテーマ

・得意客様だけということを強調

・名簿客のみを対象とした催事、名簿客の記念日にスポットを当てた催事

・タイトルモデルは、特別ご招待会、えこひいきセール

 

③季節催事

・旬や季節に応じて、「今しか買えない」ことを訴求した購買意欲アップ催事

・「今しか味わえない」など、季節限定商品の販売による購買意欲の刺激

・季節感を演出した売場づくりによる、商品・売場・販促の三位一体訴求

・タイトルモデルは、旬のさかなフェアなど

期間限定、数量限定、販売エリア限定などの限定マーケティングはいつでも強いといえます。

 

④単品強化、名物商品強化催事

・主力商品づくり、名物商品づくりが目的

・商品で集客

・タイトルモデルは、酒店なら芋焼酎まつりなど

 

当たるチラシやDMをつくるためには、集客できる名物商品や一番商品を徹底して考えなければなりません。

安定期に位置する業種・業態では、「何でもあります」というより、「この商品はうちが圧倒的一番」と、一点突破を図っていくのが、中小小売店の絶対的なルールです。

 

⑤安さ感訴求催事

・代表的催事は、「100円均一」企画

・消費マインドが低下している時期は、「売りつくし」が一番

・即効性の高い「ワケあり訴求チラシ」

 

なぜ、安くなっているのかを明確にし、それを打ち出して集客するチラシが「ワケあり訴求チラシ」です。

たとえば、B級品セールがこれにあたります。

少しだけキズがある、汚れている、半端モノなど、安さの理由を明確にした企画が必要です。

 

年間売上目標を決めると、販促予算が決まります。

その後、昨年の月別売上高、月別新規客獲得数から、販促を実施する月を決めます。

そして、どんな販促催事を行なうか決めていきます。

 

お得意様を増やすDMの活用法

個別対応できる媒体ではDMが効果的

販促媒体におけるライフサイクルは、マス媒体から個別対応できる媒体へ変化しています。

そして、個別対応が可能な媒体で、最も取り組みやすくて効果的なのがDMとFAXDM、メール販促です。

ただし、闇雲にDMを打っても回収率が悪く、費用対効果が合わなくなるため注意が必要です。

 

これからは上得意客管理がより重要に

これからは、個人別買上データをもとにしたお客様管理が、より重要性を増してきます。

必要な顧客情報を収集、管理し、買上情報に基づいた個別対応を行なうことで、よりいっそうお客様との関係性を高めることが可能になるのです。

 

とくに最近は、上得意客管理を重要視しています。

①名簿客を集め続ける仕組み

②名簿客を固定客化。信者客化する仕組み

この2点があれば、業績は安定します。

 

ここで知っておかなければならないのが、「2:8の原則」である。

これは、お客様分析にも役立つ原則で、上位20%のお客様が80%の利益をもたらすというものです。

 

では、その上位20%のお客様を、どのような基準で選べばいいのでしょう?このときに使用する手法が、RFM分析です。

RFMとは、以下の頭文字を取ったものです。

 

R(Recency)・・・最新購入日

F(Frequency)・・・累計購入回数

M(Monetary)・・・累計購入金額

 

購入日が新しいほど、購入回数が多いほど、購入金額が多いほど、より自社の上得意客と考えることができます。

上得意の顧客へは、好みを徹底的に管理したデータベースを元に、個別対応の感じがするDMを作成します。

そして、最近来店のない顧客には、価格対応を盛り込んだディスカウントDMを考えるといいでしょう。

 

ライバル店のお客様に振り向いてもらう方法

お客様に一番に思い出してもらえるお店にするためには?

すでに成熟期に突入している業種におけるお客様は、どこかの競合店の固定客となっています。

そのため、今は競合店を利用しているお客様の気を引くには、「動機を生み出す」販促計画が必要になります。

 

お客様は、お店を使い分けています。

たとえば、日本酒を買う場合も、「いつもの日本酒を安く買うお店」「有名な日本酒を買うお店」「飲んだことがない珍しい日本酒を買うお店」という感じに、数多くの購買動機に応じてお店を選んでいます。

 

お客様の中で一番のお店になる方法として、業種で一番、単品で一番、購入動機で一番になる方法があります。

その中の購入動機は、大きくわけると以下の四つになります。

①価格性・・・できるだけ安く買いたい

②独自性・・・専門的な品揃えをしている

③便利性・・・家から近い、いつでも開いている、家まで運んでくれる

④密着性・・・知っている人がやっている

 

中小企業の場合、価格性で勝ち続けることはできません。

また、便利性には時間的便利性と距離的便利性がありますが、ここでコンビニに勝つのは不可能といえるでしょう。

勝てる可能性があるのは、親しい人間関係をプラスした宅配などが考えられます。

ただし、メインは商品の独自性にしか、中小企業の生き残る道はないでしょう。

 

新規客が反応する商品・サービスをつかめ

成長期においては、売れている商品の価格を下げて販売すれば簡単に新規客を集めることができます。

しかし、ライフサイクルが進むとライバルが多くなり、似たような価格と企画も多くなります。

 

その結果、販促もしだいに当たらなくなります。

そうなると、新規客を集客する商品と、売上げ・利益を稼ぐ商品をわけて考えなければならなくなります。

購買頻度の低い業種である住関連業界の、新築の選び方を教える無料冊子などは典型的な集客商品といえます。

 

では、購入頻度の高い食品の小売業などでは、どのようにわければいいのでしょう。

ここで注意が必要なことは、売上げが高い商品や売上個数が多い商品が、必ずしも新規客を呼び込んでいるわけではないということです。

 

そのため、どの商品がお店の入り口となっているか「顧客別購入商品分析」でつかむ必要があります。

的確に入り口となる商品が分かれば、その商品をピックアップすることで新規客を効率よく集めることができます。

 

既存客の来店頻度をもっと増やす方法

既存客にもっと来てもらうためには、名簿の活用法を考えた上で、管理・収集しなければなりません。

個別対応が求められる中、単人管理がますます重要になってきています。

そして、単人管理の基本は買上金額管理と買上嗜好管理の2つにあります。

 

「買上金額管理」で来店頻度をあげる

まず、20%の上得意客が売上げの80%をつくっているという事実をつかみ、現場に伝える必要があります。

この事実を知らなければ、上得意客を大切にしようと思えないのです。

次に、上得意客のドアコールを実施します。

この目的は、数あるお店の中から自店に来ていただいている理由を探るためです。

 

もちろん、業績アップにも直結します。売上げの80%をつくっている上得意客の売上げを10%上げれば、トータルで8%アップすることになります。

逆に、売上げの20%を構成する通常のお客様80%にアプローチして、全体売上げを8%アップさせるには、20%以上売上を上げなければなりません。

このことからも、上得意客のありがたさがわかります。

 

「買上嗜好管理」で来店頻度をあげる

既存客の嗜好管理を行ない、来店頻度・客単価アップを狙う方法は、以下の3つの管理を考えます。

 

①自社の一番単品価格帯別購入客管理

たとえば、日本酒が自社の一番単品の場合を考えます。

よい日本酒の目安である単価以上の商品を購入しているお客様を特定できていれば、新しく売り込みたい日本酒があるときこの顧客に販促を打つと効果的です。

同じ日本酒でも、安いモノを買っている顧客に高い日本酒を案内しても、購買にはつながりにくいのです。

 

②コレクター管理

たとえばメガネショップの場合、メガネを持っている個数でコレクターかどうか判断できます。

3個以下なら、壊れないかぎり新しいメガネを買わない可能性が高いでしょう。

 

しかし、3個以上持っている場合は、気に入ったメガネがあればいつでも購入する確率が高いといえます。

これは名簿収集時に、現在持っている個数の質問を入れることで管理できます。

これにより、コレクターへのDM販促の活用が可能となります。

 

③購入につながる記念日管理

たとえば、宝石を送るシチュエーションで多いものは、誕生日や結婚記念日です。

クリスマスなどは共通しているため、チラシで伝えることができます。

しかし、誕生日や結婚記念日は、名簿収集時に書いていただかないと活用できません。

 

メール販促が活躍する集客用の企画とは?

ライフサイクルが進めば進むほど、より個別対応型の販促ツールを活用する必要性が増します。

そして、より低経費で個別対応でき、企画して即実行できる販促媒体がメール販促です。

 

メール販促の魅力は、コストの低さとスピードです。

たとえば1万件に配信しても、月間15000円程度ですみます。さらに、案内したいときにすぐ配信できます。

注意点としては、ディスカウント案内メールはあまり効果がありません。

 

また、一定期間に集客する方法は、以下の3つが考えられます。

①いつもより安く買える

②プレゼントがある

③なかなか手に入らない限定商品がある

 

メール販促で反応がいいのは、プレゼントと限定性で集客するパターンです。

 

マスコミに取り上げられるお店のつくり方

テレビや雑誌には、流行となっている特集があります。

流行の特集を取り上げる場合、テレビや雑誌の記者はゼロから取材をするより、どこかで見かけた企画を参考に取材をかける傾向があります。

そのため、一度取り上げられると次々に取材が殺到することがあります。

 

超繁盛店と言われるお店が、急成長するキッカケとなった出来事を調べていくと、マスコミに取材を受けたというケースが少なくありません。

短期間で急成長するコツは、まずマスコミが取材したがる内容を考えます。

そして、それをニュースリリースにして、取り上げてもらいたい媒体に情報を流すことが一番の近道です。

 

ブランドはPR活動でつくられる

マスコミが小売店を記事として取り上げているパターンを並べてみると、以下の9つのタイプになります。

 

・タイプ1:個性派セレクトの店、食のセレクトショップ

・タイプ2:超専門家や名物おやじがいる店

・タイプ3:ノスタルジーを感じさせる店(量り売り、レトロアイテム、外装、内装など)

・タイプ4:カスタマイズしてくれる店(オリジナルラベルのお酒など)

・タイプ5:1カテゴリー圧倒的品揃えの店

・タイプ6:環境や健康にこだわる店

・タイプ7:ユニークな情報満載のPOPがある店

・タイプ8:名物商品を持っている店

・タイプ9:超プレミアム商品を持っている店

 

マスコミに取り上げてもらうための注意点

注意点1:マスコミへのアプローチ法

FAXやメールでは期待できません。担当者の名前を入れ、封書で送るようにしましょう。

 

注意点2:外観での注意点

大手メーカーの看板、ポスターなどを貼っているお店は取材してもらえません。

 

注意点3:使ってはいけない!NGワード

「こだわり」「おいしさの追求」「笑顔で対応します」「厳選の○○」「究極の○○」この五つの言葉を使っているお店は多いため、取材されにくくなります。

 

チラシで結果を出すため投入30日前までに終わらせるべきこと

当たるチラシを作成するには、しっかりした前準備が必要です。前準備なしに作成したチラシは、ほとんどの場合当たらないチラシになってしまいます。

チラシ投入の30日前から、チラシの作成計画はスタートさせます。

ただし、それまでに以下の三つを終えておく必要があります。

 

①売上計画の確認

60日前に、年間売上計画、四半期売上計画、月別売上計画から、販促期間中売上計画を設定します。

この売上計画に対してかけられる販促費用を決定し、売上予算達成のための企画を練ります。

 

②掲載アイテム数の選定および仕入交渉

次に、50日前に期間中単品別売上計画を決め、チラシ掲載アイテムを選定し仕入交渉に入ります。

ここで確認しておくべきことは、単品別の売上数量ベスト、売上金額のベスト、粗利高ベストの三つです。

その伸び率をチェックしてください。これらの上位商品から、チラシ掲載アイテムの選定を行います。

 

この際、単品別にアイテムの選出を行ないます。このときの目安は、期間中1アイテムでいくらの売上高が狙えるのか把握しておくことです。

そして目玉商品で期間中売上金額の60%を見込めるように、チラシアイテムを選出していきます。

40日前にはチラシ掲載商品を決定し、原稿ラフ案の作成にとりかかるようにしましょう。

 

③商圏内競合店価格把握

掲載商品の中には、競合店とバッティングする商品があります。

とくに、低価格高頻度商品はお客様にもなじみがあり、価格を覚えている可能性が高くなります。

そのため、直近半年間の競合店のチラシをチェックし、チラシ掲載価格を決定していきます。

 

これらを行なった後、30日前には印刷業者に原稿ラフ案を提出します。

そのため30日前までに、売上目標の決定、催事タイプの選定、チラシ配布枚数の設定、チラシアイテム数の概算予測、チラシサイズの決定、そして販促経費の確認を行なう必要があります。

 

チラシ投入15日前までにやるべきこと

チラシ投入の30~15日前までには、、、

・チラシ校正のチェック

・チラシ掲載アイテムと価格の最終決定と売上・仕入予算計画

などを終える必要があります。

 

チラシ校正のポイント

印刷業者などにラフ原稿を提出後、1週間以内には校正原稿ができ上がってきます。

そして20日前には、以下の3点をチェックする必要があります。

①アイテム訴求度合はどうか

②価格の打ち出し方はどうか

③文字。価格に間違いはないか

 

売場づくりとチラシ校正が重なる期間になるため、モレのないように注意が必要です。

 

10日前には、実際のカラーのついたチラシ原稿をチェックして色校正を行います。

チラシ印刷の色は、カラー、2色、1色の3パターンがあり、掲載商品と企画のタイプによって使いわけのルールがあります。

 

たとえば、オープンセールや創業祭などの大型催事などではカラーを使います。

それ以外のなじみのある商品、コモディティ、低価格商品などの通常チラシは1~2色で構いません。

チラシに茶紙を使用することはよくなさそうですが、手づくり風を訴求する場合はピッタリです。

このように、商品の特性によっては、カラーより1色のほうがいいことも多いのです。

 

商品到着後の売場の作り方

商品到着後、売場での陳列をスタートします。

このとき大切なことは、チラシで目玉アイテムとして掲載する商品を、しっかり目立つように陳列することです。

 

売場づくりは以下の順序で進めます。

①売場ゾーニング計画スタート

②店頭入口付近1/3に売上構成比70%ゾーンを設定

③POP、プライスカードの見直し、作成

④店内動線、陳列、にぎわい性のあるファサード演出

 

2段階オープン実践法

新店オープン計画でオススメの方法が、2段階オープン法です。

このベースには、「3回安定・10回固定の法則」があります。

 

「3回安定の法則」とは、比較的短い期間に来店し3回連続して満足すると、次からはその店で買い続ける確率が高くなる法則です。

また「10回固定の法則」とは、さらに10回連続して満足するとその店に固定し、その店以外では買わなくなることを言います。

この「3回安定の法則」を短期間で実現するのが、2段階催事です。

 

オープン後3年以上経過しているお店の場合、一度来た人が二度目の来店をする確率は約50%と言われています。

さらに、二度来た人が三度目の来店をする確率もその50%です。そのため、1回来た人が3回来店する確率は25~30%と言われています。

3回来店までは新規客の定着が悪く、100人集めても3回来店する人は30人になってしまいます。

 

ただし、3回目から4回目となると、一気に約85%以上の方が残るようになります。

だから、とにかく連続して3回来店してもらう仕組みが必要なのです。

 

2段階式オープン法

・第1段階:近隣客のオープン前特別ご招待会

・第2段階:半径2~3km圏へのチラシ配布

この2段階に催事をわけることを指します。

 

催事を2段階にするメリットは次の三つです。

①半径1km圏の顧客の自店認知度を徹底して上げることができる

②ドアコールで顧客接点をつくると、社員の意識づけに役立つ

③最大日販づくり、目標年商の1/80~1/100を達成しやすい

 

さらに、新店オープン前に固定客をつくる仕掛けも実施しましょう。

オープン前にモニター会を行ない、徹底的に自社のポリシーやコンセプトを知っていただく機会をつくります。

このモニター会で顧客の要望を吸い上げ、新店に反映させていくのです。

 

アイテム数と価格でお店を選ぶ時代は終わろうとしています。

これからは商品や情報の鮮度や、お店のコンセプトに共感できるかどうかでお店を選ぶ消費者が増えます。

そのためモニター会では、「オープン前から自店のコンセプトに共感する顧客をつくる」ことに集中します。

開催目安は、オープンの半年前からスタートし、月2回のペースで行なうといいでしょう。

 

競合店を迎撃する効果的な販促

競合店対策ではまず、自店の上得意客、得意客に徹底して買っておいてもらうことが、大きな対策のひとつとなります。

そのため、競合店オープン2週間前に固定客催事を実施する必要があります。

 

これを実施するためには、3週間前までに名簿の整理を行ない、次の3つを郵送します。

①客単価の5~10%金券(金券使用期限は特別ご招待会の2日間のみ)

②挨拶文

③特別ご招待会チラシ

 

通常、特別ご招待会でのDM回収率目安はシェアの1.1倍です。

 

さらに、特別ご招待会の1週間後にチラシで大型催事を実施します。

同時進行で、2週間前から半径500m圏内を対象としたドアコールを行ないます。

販促の中で、お客様と直接顔を合わせることができるドアコールは、顧客密着という点で最も効果的なアプローチ手法ともいえるでしょう。

また、直接手渡しした世帯の回収率は非常に高くなります。

 

その後も継続して競合対策を続けなければなりません。

競合対策は、自店と競合店の力関係で決まります。

自店が一番店なら、競合店と同じタイミングで同一商品を安くぶつけるのがセオリーです。

 

ライバル店の販促チェックポイント

①折込み時期のパターンをチェック

競合店がいつ頃、何曜日に折込みを入れているかをチェックします。

自店が弱者の場合、競合店が広告を打つ日とバッティングすることを避けます。

競合店が木曜日に打っているなら、土曜日スタートにするなどがいいでしょう。

 

②単品別掲載アイテム数チェック

競合店が力を入れている単品は避け、自店にしかない独自商品を積極的に掲載するのがベストです。

 

③同一商品の価格及び単品別中心価格帯をチェック

どれだけ掲載スペースをとっているかに左右されますが、目玉商品が競合店より高ければ集客できない可能性が高くなります。

また中心価格帯も、競合と重ならないように考慮する必要があります。

 

販促計画 まとめ

販促を行うには、まず計画が重要になります。

自社の状態をきちんと見極め、しっかりとした計画を立てることで、販促費を無駄にすることもなくなるでしょう。

ぜひこの記事を参考に取り組んでみてくださいね。

 

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これまで、20代前半より8店舗のお店をオープンしてきました。銀行などから融資を受けることなく無借金で10年以上経営するも、自分の将来が見えなくなってしまったため、全て従業員や知人に売却。

その後、店舗の開業、店舗展開に携わり、これまでオープンしてきた店舗は100を超えます。

また、集客の専門家でもあるため、全国各地より『集客支援』の依頼が絶えず来ており、これまでサポートした個人事業主・企業様は500件以上となっています。

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