売り上げ予測ってどうやって立てるか知ってました?
もしあなたが売り上げ予測の方法について、いまいち、よく理解できてないと感じているとしたら今回の記事は、あなたの助けになるかもしれません。
売り上げ予測をする時ってどんなときでしょう?
こんなことを聞くのも変な話ではありますが、そうですよね。
開業をしようと考えている人、2店舗目を考えている人、もしくは、今あなたが作った売り上げ予測が合っているのか自信がないときではないでしょうか?
今回は、そんなあなたの手助けとなるように少し詳しく簡潔に説明したいと思います。
売り上げ予測の為に必要なことって何?
まず、売上を予測する前に大前提として知っておいて欲しいことがあります。
それは、「あなたのお店を利用する人の気持ちで調べる」ということです。
なぜ、そんなことを言うのかというと、あなたはあなたが選んだ立地の場所が一番だと考えてしまうことが多いからだということです。
ですが、それはあなたに始まったことではありません。
誰しもが陥る落とし穴みたいなものです。
ですが、それは今回からは捨ててください。
そうしないと、あなたの選んだ立地に有利な答えに持っていこうとする答えが出てきてしまうからです。
そうなってしまっては、正確な売り上げ予測は出来ません。
では、いまから、売り上げ予測に必要なことを説明します。
そもそも、売上予測は、パソコンの前で調べながら考えていても正確な数字は予測できません。現地で実際に見ることが大切なのです。
これを「実査」といいます。「実査」には5原則という5つの原則が存在します。
この「実査」の5原則を正しく行うことで正確な売上予測が可能になります。
では、実査の5原則についてみていきましょう。
「実査」の5原則を知ろう!
原則1、「売り上げ予測の原則」
実査の開始段階から、この物件にはどんな魅力があるのか?その結果どれだけの多くの人が訪れ、売上がいくらになるかを、最も気にしながら見ていくという原則です。
分かりやすくすると
①現場について・・「周りに人が少ない。せいぜい800万円/月かな?」
②周辺を実走して・「あの物件の場所は交通の要所だ。1200万円/月は期待できそうだ」
③もう一度現場で・「隣の競合店に来る目的はほとんどが食事だけだ。1000万円/月くらい
か」
④さらに周辺を実走して
⑤・・何度も試行・思考を続ける・・「街の中で、食事しやすい店が少ない。バランス
が崩れている。1100万円/月かな」
どんな立地上のことを見つけたとしても、それが予測売上げにどの程度影響するかに結び付けて考えていくように習慣付けてください。
今回はここまで
次回の記事では原則2、3をご紹介します。
前回は、「実査」の5原則1つ目までをご紹介をしました。
今回は、2つ目の原則「五感優先の原則」と3つ目の原則の「数値化の原則」について、ご紹介していきます。
2つ目の原則「五感優先の原則」って何かを知ろう!
五感優先の原則って何のことでしょうか?
言葉通りに取れば、「視覚」、「聴覚」、「触覚」、「味覚」、「嗅覚」の五つを使って、感じるということになるのですが、一体どういうことなのか?
そして、もう一つそれは何に対して優先するのか?
あまり引っ張ってもしょうがないので、答えを言うと、五感を使って感じることは、そのまま五感を使って感じることです。
それよりも、大切なことは、何に対して優先するのか?
こちらのほうにフォ-カスしてください。
何に対して優先するのか、それは、多くの思いこみの情報に対してです。
例えば、物件を知るために地図を使ったりします。
ですが、地図の中には、様々な誤りや、誇張、誤植が含まれているのです。
特に道路の太さや商業施設などは実際に見ると大きく異なっていることが多いのです。
実際にどんな風にやるのかを、簡単にご説明すると、
統計デ-タ:人口2300人の街を調べる為に実際に街並みを見てみた、その時に「アパ-トマンションが多い最低でも1000人は住んでいそうだ。」と感覚で思ったとします。
それらを解決する方法として、次のステップで、実査で見たことを基準に統計を見直すと精度があがるということです。
その時に、統計を使う前にどういった疑問を持つべきなのか?
それは、「人口の集計方法が間違っていないか?」とか、「人口の年次が古くはないか?」
などを、疑問に持つことです。そこから、何を調べればいいのかを考えます。
今回で言えば、試しに、近隣の駅の乗降者数を調べてみよう。という流れになるのです。
そして、実際に調べてみると、結果:1990年13000人1997年19000人と46%アップしていた、やはり人口は増えていると気づくことができたのです。
これが、2番目の原則の「五感優先の原則」です。
次の説明に行きます。
3つ目の原則「数値化の原則」って何かを知ろう!
もし五感で感じた数値が統計情報と正しければそのまま用いてもいいのです。
ですが、実際は宅地の造成や大型建造物などが出来ていることがあるため、統計情報が当てにならないようなことが起きます。
そういったときには、最も正しいと思われる数字を考案しなければなりません。
しかし、人間の知覚に関わるようなところは、完全に決まった数値化方法があるわけではありません。例えば、視界評価も3段階に分けたりしますが、こうした数値化出来る能力が必要となります。
数値化の原則の正しい数値化例をご紹介しましょう。
・ドライバ-から看板が見える⇒最大どこまでの距離から見えるか?
⇒200m手前から見えた⇒視界性評価を「200」としようと決めました。
しかし、
①遠く離れれば、ドライバ-の視野が含まれる看板の大きさは相対的に小さくなるから、このような数値化は誤りということがわかります。
②一定の距離で一定の目線であれば、ドライバ-の視野に含まれる看板の大きさはそのまま、看板の視界性(見えやすさ)になる。この数値は正しい。
なので、こう考えます。
・ドライバ-から看板が見える⇒普通のドライバ-でも見えるだろうか
⇒普通のドライバ-の目線や視野に入っているだろうか?
⇒視野を4度ずつ区切ってみよう。
⇒物件は7度ほど目線から外れるから視界性評価を4/7としよう。
という風に考えるのが正しい数値化例になります。
まだ、ピンとこない方もいると思いますが、理解しようとせずにこうやるんだということをまずは頭に留めておいてください。
今後の内容で少しずつ理解できて行くはずです。
なので、今出来無いことを心配する必要はありません。
次回の記事では、原則4、5をご紹介していきます。
売上予測ってどうやって立てるか知ってました?③
前回は、「実査」の5原則3つ目までをご紹介をしました。
今回は、4つ目の原則「比較の原則」と5つ目の原則の「仮説・検証の原則」について、ご紹介していきます。
4つ目の原則「比較」の原則って何かを知ろう!
前回お話した、数値化の原則の中で視界性評価のお話がありました。
視界性評価といっても、単に段階評価しているだけでは、いい加減なものになってしまいます。ほかの物件との比較があって初めて意味があるのです。
事例から見てみましょう。
物件 A店 B店
人口 17500人 15000人 20000人
売上げ ? 1200万円 800万円
この比較表を使うと、物件の売り上げ予測は1000万円となる⇒この推測は誤り!
なぜなら、A店とB店は人口と売上げの関係が逆転している(これは変)
A店、B店の売上を決めている「別の要因」があるはず。
そこで、
物件 A店 B店
環境 隣に中堅の 隣に大きな 近くに商店あり
ス-パ-あり 商業施設あり (年商2億円)
(年商21億円) (年商40億円)
売上 1000万円(予測) 1200万円 800万円
これならば、推論として、物件の売上予測を1000万円とすることは間違っていない。
比較はこのように、正しい推論をするために用いる
このように、その数字が他の物件と比べてどうなのかを比較することが必要です。
これが出来ることで、実査の最終原則と結ばれるということになります。
5つ目の原則「仮説・検証の原則」って何かを知ろう!
仮説・検証の原則とは?
例えば、交通量というものが売り上げに関係していると多くの人が考えています。
これが、仮説です。
でも、これを検証できた人は、多分いないと思います。見たことがないので。
つまり、ほとんどの交通量のない場所でも、売上が高い店は存在しますし、逆に1日10万台以上通る道に面した店でも不振店になっている。交通量と売上げの間には、一般的な相関は見つかっていないのです。
ということは、交通量は仮説であって、検証されていない。
だから、検証できていないことを基準にして売り上げ予測をするよりも、検証できた要因を使うほうが売り上げ予測の精度は高くなるということです。
いかがでしたでしょうか?
実査(実地調査)という聞きなれない言葉から入り、実査の5原則をご紹介しました。
多分今回の記事の内容だけではすべてを把握することは無理でしょう。
ただ、こういったことをやって売り上げ予測というものは出来るんだということを知って頂くことで今は十分です。
次回をお楽しみに!
売上予測をする前に知っておきたい統計デ-タの使い方!
あなたが出店したいと考えている、物件があったとしたらあなたはその物件をどう判断して契約しますか?
・道路沿いの店舗だからですか?
・店舗の前の人通りが多いからですか?
・駅が近いからですか?
という風にいくつかの理由が挙げられるかもしれません。
ですが、その店舗を契約、開業する判断と考えると難しさを感じるのではないでしょうか?
今のお話はすべてあなたの感覚での話でした。確かに立地を決める際に現地に行き五感で観察することはとても大切です。
しかし、今の段階では仮説となってしまいます。
それを、検証する為に、統計情報を利用しましょう。
今回は、統計情報の集め方、見方を簡単にご紹介します。
必要な統計情報は、国が調査したデ-タが公表されているので、
・国税調査
・商業統計
などを利用しましょう。
国税調査とは?
国税調査は、総務省所管の調査で、5年毎に日本全国で、そこに滞在するほぼすべての人を対象に行われます。
国は他にも様々な調査を行っているもののその大部分がサンプリング調査です。
しかし、国税調査は「すべて」の人が対象なので、外国人も入院中の患者でさえも含みます。
国税調査の調査項目は、立地調査には欠かせない項目となっています。
項目を見てみましょう。
世帯員に関する事項
⑴氏名
⑵男女の別
⑶出生の年月
⑷世帯主との続き柄
⑸配偶の関係
⑹国籍
⑺就業状態
⑻就業時間
⑼所属の事業所及び事業の種類
⑽仕事の種類
⑾従業上の地位
⑿従業地又は通学地
世帯に関する事項
⑴世帯の種類
⑵世帯員の数
⑶住居の種類
⑷住宅の床面積
⑸住宅の建て方
などになります。
商業統計とは?
商業統計は、経済産業省が、やはり5年に一度(その間に簡易調査が一度はいります)、卸売業、小売業を対象に行う調査です。これも全数調査です。
小売業は、その事業者数と売場面積、年間販売額、駐車台数を1セットにして、規模別、業態別等に分けて集計されます。
とりわけ、小売業の年間販売額は、その街、地域に買い物に来ている人々の規模を知ることが出来るということ言う点で、きわめてすぐれた指標となります。
以上のような統計デ-タを事前に用意することで、実際に現場に足を運んで実地調査をする際に比較することで、違いが分かるなど把握することができます。
そうすることであなたの店舗の契約の判断に役立っていくということに穴ります。
ただし、契約前提で調査をすると冷静な判断が出来無くなるので、その点は注意が必要です。望んだ地域では無い時は契約をしないということも頭に入れておくべきでしょう。
次回は、メッシュ統計などをご紹介していきます。